忘れ傘   夏の思い出・・・2007.09.26


猛暑続きの今夏、我が家は主人の入院、手術と言う予期せぬ出来事に見舞われました。

長くて暑い夏も、ようやく峠越えかと思える不安定な天候が続く8月末の夕刻、病院に向かうバスの中、私は

雨具を忘れてきた事に気付きましたが、引き返すのも毎日病院と家の往復でいい加減疲れていましたので、

そのまま目的地のバス停に降り歩いていました。

とある店先に一本の忘れ傘らしいものが立てかけてあるのが目に付きました。その時「失礼したいな」と思い

ましたが、やはり手が出ませんでした。

翌朝、降らない内にと早朝に病院を出た数分後、バラバラ・・・急ぎ足で昨夕のお店の前を見ると、街路樹の

下に置き換えてありました。思わず私は「ありがとうございます」と心に叫びながらその傘を頂き、さして帰り

ました。小花模様の小さなビニール傘ですが、傘がこんなに有難いものと思った事はありません。

何だか私のために一晩待っていてくれたような気がして・・・縁のある傘と大切に使用したいと思います。

主人も退院し家で静養、順調に回復しています。お世話さまになりました医療スタッフの皆様、ご心配かけ

ました皆様に心から感謝の毎日です。

秋とは名のみ、まだまだ残暑厳しい日が多いので体調管理に十分気を付けましょう。



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